歯周病は読んで字のごとく「歯の周りの病気」です。
歯を支える歯肉や歯槽骨の組織をじわじわと破壊する歯周病は「静かなる病気」といわれるほど気がつきにくい病気です。気がついた時には意外に進行しているケースが多く、成人の歯の抜ける原因として歯周病によるものが増えています。
※平成11年厚生労働省歯科疾患実態調査概要より推定
口の中は細菌がいっぱいです。
歯磨きが正しく行われず、食べカスが残っていると細菌はこれをエサに増殖しプラークと呼ばれる菌塊をつくります。
このプラークが歯肉や歯を支える歯槽骨、セメント質、歯根膜などに炎症を起こします。
この細菌因子に喫煙などの環境因子、病気(糖尿病など)、噛み合わせなどがからみあって悪化します。
初期の段階であれば歯磨きでプラークを取り除き、歯科医師や歯科衛生士に歯石を除去してもらうことで治っていきます。
しかし放置するとポケットはますます深くなり、歯を支える歯槽骨が溶け始め歯周病となります。
炎症が歯槽骨に達した段階でも痛みを感じないのがほとんどです。
気がつくと歯槽骨の破壊が進んで歯がグラグラということもあります。
まず、綿密な診察を行って病気の実態を調べ、原因を明確にした後、治療に移ります。治療の内容は症状や進行の程度により決められますが、通常次のような治療が行われます。
最近になってプラークの病原性細菌は口の中で悪さを働くばかりでなく、増えてくると唾液や血液の中に入り込んで体のあちこちに飛び火し、全身に深刻な影響を及ぼしかねないことがわかってきました。高齢者に多い嚥下性肺炎、敗血症、心内膜炎、早産、低体重児出産などとの関連性が指摘されています。
再発の防止や進行の予防には生活習慣の改善が重要です。
歯科医師、歯科衛生士から受けた指導や注意を守って再発を防ぎましょう。
特にブラッシングは重要で効果的に行っていくと、かなり重症の歯周病でも改善され溶けていた歯槽骨や歯根膜が次第に治ってきて、グラグラだった歯の揺れが少なくなり噛み合わせも整ってきます。
重度の歯周病の完治は困難です。お早めにご相談下さい。